白石島概観 アクセス みどころ 白石踊り 環境学習 ギャラリー MAIL
白石踊り
 衣装 

白石踊りの衣装


衣装の概要


 衣裳は一般の盆踊のように従来の島の伝統的行事として楽しむ場合と、観賞の対象となる場合とに大別されます。
 前者の場合は凡て家で平素使用している着物を身につけて踊りました。奴踊の若衆は素手素足で鉢巻を締め、各自持っている法被を着たり、浴衣掛で尻を端折って踊りました。娘も振袖や浴衣で手拭の頬破りをして踊りました。男踊や女踊の紋付の着物もそれぞれの家に伝わる家紋入りの物を着用しました。音頭取や太鼓打ちも浴衣の着流しでした。音頭台もかつては酒樽を逆さにしたものを用い、これに普通の傘(からかさ)をさした音頭取が上りました。また昭和初期迄は仮装も盛んで、刀を差した浪人や、鍬を持って蓑・綿入の類を身につけた百姓姿などが見受けられました。仮装を競うようにもなって年々の人気を博した話も伝わっています。
 要は各自有り合わせの物を着たのであって、殊更盆踊のために衣裳を整えるということはありませんでした。尤も近年は普段着ではあるが、ズボン・シャツ姿の男性や洋服の女性が浴衣姿の踊り子の中に入り交り、昔ながらの盆踊の情緒は失われつつあります。
 後者について見れば、郷土芸能の無形文化財的認識が高まってきたのに鑑み、1955年(昭和30)白石島観光協会が次のような衣裳をユニフォームとして整えました。その際、踊りの盛んであった元禄の頃を想定して、岡山市在住の日本画家・村川源之助(のち弦納と改名)氏が衣裳の考証を行いました。
以下にその定型となった衣装を解説します。


普段着で踊る
思い思いの浴衣で踊る

やぐら
古い絵葉書から

浴衣で踊る
古い写真から



(1)男踊


芥子色の紋付着流し、この上に黒の紋付羽織を着て、手拭の上に竹の子笠(竹の皮で作った粗製の浅く大型の笠。番匠笠ともいう)を被り、白足袋に草履をはく。



(2)女踊


黒紋付の着物(紋服)に太鼓結びにした丸帯(広帯)をつけ、手拭で両頬を覆ってから端折笠(端を下へ折り曲げた菅笠)を被り、白足袋に草履をはく。



(3)娘踊


薄青色の紋付振袖に半幅帯の結び切り、更に紅の垂らし帯(扱帯)をして、頭には紫色の布を御高祖頭巾(四角な布地に紐を付けたもの。目の部分だけを出して頭部、面部を包む)風に被り、白足袋に草履をはく。華やかな衣裳は法被姿の奴踊、笠踊と好対照をなす。



(4)奴踊


黒地紋入り半纏(印半纏)の奴姿に細帯、白の猿股、青色の目隠し(下り)、白の脚絆(三里当て)を付け、向う鉢巻を締めて素足に草履をはく。笠踊の場合は、この衣裳で小型の竹の子笠(でんぱち笠)をもつ。



(5)梵天踊


衣裳の上にボール紙製(かつてはブリキの小片を綴って作った)の鎧をつけて梵天(1m余の幣串の両端に畳んで細長く切った半紙を取付けたもの)をもつ。鎧、梵天を用いての切り合いの所作などは源平合戦の亡霊供養起源説に付会したものであろう。

梵天踊の写真は準備中です


(6)音頭取


紋服、袴姿で白足袋に草履をはき、大型の傘を指す。この傘は精霊を迎えて回向することを目的とするが、同時に音頭の声が上方に拡散することを防ぐという音響的効果も考慮されていると思われる。