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白石踊り
 歌詞 

揚巻助六(下)


揚巻助六(下)
扨も助六涙の袖に
絞り暮らすも恋路の闇に
フシ・迷い果てつつァ・・・定めなし
花鳥風月のその戯れに
可愛がったり又がられたり
仮に遊女の徒思ひをば
縁求めてその邯鄲の
枕二つに書く起請文
何時の間にかは軒端の梅に
鳴くは鶯げに夏の虫
蝉の羽衣身も焦がれ行く
例の揚げ屋に立ち寄り見れば
伊予の大尽この四五日は
とんと揚巻揚げ詰めにして
後は根引きの談合となり
それと聞くよりさて助六は
胸も塞がり気も狂乱の
慣れし揚げ屋の座敷に行きて
顔と顔とを見る間の山
フシ・三味もしどろのホ・・・
オクリコレ・野辺より貴方の共とては
連るる殿御に助さんなぞと
銚子一杯涙と共に
他所を見るのも唯空の態
それを助六逆さまに聞く
流れ遊女の自棄傾城め
嘘の空泣き真実顔で
凡そ三千三百両を
使い果たしてこの態と形
憎や腹立ち胸騒ぎやと
やがて太夫の手房を掴み
面を幾つも張り廻すれば
これは河内の油屋内儀
悋気違いで腰元振りを
叩き殺すも皆恋故と
此れは其の人了見違い
深き思いはそれこげんぶし
辛き勤めも己様故と
わっとばかりに顔をも上げず
・暫し絶へ入り泣き沈む
漸う揚巻顔振り上げて
ハア主さへ不首尾のさて御事を
十日手前にさる方よりも
話聞くより覚悟を極め
襟を引き上げ金紗の縫いの
守り袋を取り出だしつつ
此れに書き置き認めあると
聞くに助六手を合はしつつ
扨も扨もと涙を浮かべ
今は二人が好みし夢に
悟り行かむは優曇華の花
(言切り)げにや名残のナア
切り処よさァ
(囃詞)今が重いの切処
詠


謡2