白石島概観 アクセス みどころ 白石踊り 環境学習 ギャラリー MAIL
白石踊り
 歌詞 

石童丸(下)


石童丸(下)
さてそれよりもかの御僧は
石童丸を我が子と知らず
茅堂まで連れ行き給ひ
国は何処ぞ名は何といふ
名告り給へとありければ
されば国こそ筑紫に於て
松浦左衛門重氏殿よ
頃は三月上旬の頃
御一門中が寄り集まりて
花の御会をなされし時に
父の持ちたる御杯に
蕾一房吹き入れければ
是を菩提の御種として
都方なる新黒谷で
髪を下して高野に登る
父の御年二十歳や三歳
母の御年十九歳にて
姉の千代鶴三の歳に
吾は胎内七月半で
見捨て置かれし嬰児なるが
生まれ成人名を石童丸と
聞くに御僧筆をば捨てて
ハア・包むに余る涙の体を
見るに若君さて不思議やな
御僧様こそ筑紫の訛
殊に話に御落涙は
さては尋ぬる父上様か
名告り給へと泣き給ふ
ハアかの御僧は
不審尤もさはさり乍ら
御事尋ぬる今道心と
吾は即ち相弟子なるが
是非も無きかや尋ぬる父は
遂に空しく過ぎ行き給ひ
日こそ多けれ今日命日と
騙し給へば石童丸は
たわい涙にくれ給ひしが
せめて悲しき父上様の
御墓所を教えてたべと
嘆き給へばおお道理なり
いざや教へん此れぞと言ふて
何の故なき無縁の墓を
教え給へば石童丸は
やがて卒塔婆に抱きつき縋り
声も惜しまず泣き給ひしが
(言切り)袖に涙のナア
溜り水よさァ
(囃詞)澄まず濁らず出ず入らず
詠


謡2